自律神経失調症
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まずは下記の症状をご覧ください。

☑耳鳴り、耳閉感がある
☑寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
☑動悸が気になることがある
☑不安感やイライラを感じやすい
☑頭痛があったり、ふわふわすることがある
☑吐き気がする
☑朝なかなか起きられない
☑集中力が続かない
☑咳が出やすい
はい。
あえてたくさん書いてみました。
なぜなら、自律神経失調症の症状は本当に多岐に渡るからです。
しかも、これもほんの一部に過ぎず、細かい症状で言うとまだまだたくさん存在します。
ちなみに、上記の症状に5つ以上当てはまったあなた。
自律神経失調症の可能性は十分考えられます。
4つ以下だったあなたも、まだひどくはなくても自律神経の乱れが起こっていたり
今後ひどくなる可能性はあります。
(※症状には個人差がありますので、あくまでも目安としてお考えください)
私が施術家として活動する中で、この様な症状で悩まれている方は本当に数えきれないほどいらっしゃいます。
そして口々に言われるのが
「病院の検査では異常がないと言われた」
「どこに行っても、何をしても治らない」
「正直、もうあきらめている」
さて、本当に原因は何もなくて、本当に治らないのでしょうか?
私はそうは思いません。
なぜなら、
実際に症状が改善され、目の前で良くなっていく方々を見ているから!!
今回はそんな自律神経失調症についてのお話です。
自律神経そのものについてや、その原因と改善方法などについて詳しく解説していきます。
自律神経失調症の定義
この症状の捉え方については様々な見解があります。 一般社団法人「日本心身医学会」では自律神経失調症について
「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず
かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されています。
要するに「病院の検査では異常がないのに体の不調がある」状態のこと。
ちなみに自律神経失調症は病名ではなく、上記のような症状を有する状態のことを言います。
皆さんも一度は経験あるのでは?
体の不調があってわざわざ病院に行ったのに
「特に異常はありません」
医師が診断する際も、検査で異常がなかった場合、便宜上自律神経失調症と使わざるを得ない現状もあるようです。
病院で行われる検査

①医療面接
一般的には、質問シートに記入したあとに医師との面接がおこなわれます。 面接では、症状が現れはじめた時期やきっかけ、過去の病歴、普段の生活スタイル 人間関係、性格、自覚症状などです。
簡単には診断できないため、医師との面接においては、病歴、症状の変化、今までの経過
普段の生活の様子、仕事や家庭や人間関係など、生活環境を詳しく伝えることが大切です。
加えて、自分では自覚していないものがストレスとなっている場合もあります。
なぜなら、ストレスは「イヤなこと」「つらいこと」だけではないからです。
「会社で大役を任され頑張っていること」もストレスです。
いいことかイヤなことかに関わらず、体や心の刺激はすべてストレスなのです。
ですので、特に、症状が現われはじめた頃の生活環境については
ささいなことでも医師との面接においてくわしく話すことが大切です。
②自律神経機能検査

☑心拍変動検査
☑皮膚紋画症
☑鳥肌反応検査
☑安静状態からの立ち上がりで血圧の変化を調べる「シェロング起立試験」
☑体の表面に自然におこる細かい振動を調べる「マイクロバイブレーション」
☑臥位状態と立位状態とで調べた心電図を比較する「立位心電図」
など、いくつか種類があります。
検査法はその人の症状に使い分けられます。
③除外診断
除外診断とは、自律神経失調症が疑われる症状の中に”他の疾患が隠れていないか”を検査する方法です。 たとえば、全身の倦怠感やめまい・頭痛など、内臓疾患やその他の病気でも起こり得るので その病気との鑑別を行う必要があります。
④心理テスト
自律神経失調症の背景には、心理的要因も関連してきます。 主に記入式のシートに回答したりすることで、その人の心理状態・行動パターン・性格的傾向 ストレス耐性などをチェックします。
そもそも自律神経って?
自律神経とは、簡単に言うと「体のスイッチのONとOFFのバランス取り」の役割を果たします。 その中枢は脳の視床下部(ししょうかぶ)というところに存在し そこから指令を出すことで体のバランスを調整してくれます。
神経には体性神経と自律神経の主に二つの神経があり、以下のような特徴を持ちます。
【体性神経】
筋肉を収縮させて関節を動かしたり、随意的に(自分の意志で)働かせることができます。
【自律神経】
内臓機能の調節など、体の内側の機能を不随意に働かせる。
そうなんです。
実はこの自律神経、自分の意志では動かすことはできないんです。
筋肉を動かすのと同じように
「胃を大きくしたり小さくしたりして下さい」
と言われてもそれは無理な話ですよね?
”不随意の神経”それが自律神経の特徴の一つです。
さらに分類分けすると、、、
↓ ↓ ↓
交感神経と副交感神経
この自律神経、主に二つの種類に分かれます。最初にお伝えした「体のONとOFF」の
ON→交感神経
OFF→副交感神経
となります。
それぞれの主な働きはこちら
↓ ↓ ↓
一日の流れで説明しますと朝はこの交感神経が優位になることで起床。
日中は主にこの交感神経が優位となり、仕事など活動に打ち込めます。
そして夕方以降、徐々に副交感神経が優位になり体はOFFにかたよっていきます。
この切り替えがあるからリラックスできるし、ゆっくり休んで眠れるわけですね。
今回の自律神経失調症の場合、ここのスイッチの切り替えがうまくできない
もしくはどちらか一方が過剰になってしまうことが原因となり発症します。
自律神経が乱れる原因は?
事故、怪我、過労、さらには音や光、気候(温度)なども身体的なストレスとなって
自律神経の乱れの主な原因になります。そのストレスが過剰になることで
交感神経と副交感神経のバランス、つまり自律神経のバランスが乱れることになります。
②不規則な生活習慣 私たちの体内サイクル(体内時計)は、太陽の光によってリセットされます。
しかし、昼夜逆転の生活や夜遅くまで活動していたり、体内サイクルに逆行した生活を行うことで
それを管理している自律神経のバランスにも影響を及ぼすのです。
③疾患に起因する乱れ 今回ご紹介している自律神経失調症をはじめ
更年期障害などを患うことで二次的に自律神経のバランスが崩れてしまうケースです。
慢性化することで悪循環を招くことにもなります。
東洋医学からみた自律神経失調症
まず、東洋医学では現代医学的な意味合いでの”自律神経失調症”という症状名は存在しません。
しかし、最初にお伝えしておきます。
自律神経失調症を読み解いていくために、まずは簡単に東洋医学のお話から。
これを先に読んでいただくことで、確実に頭にスーーッと入ってきます。
東洋医学にはいろいろな見方や尺度があります。
今回の自律神経失調症を読み解いていく場合、この「陰」と「陽」という存在がピッタリだと思います。
(※知らない方にも分かりやすく噛み砕いてお伝えするので安心してください。)
まず、東洋医学の代表的な考え方・概念として「陰陽論(いんようろん)」というものがあります。
どんなものかと言うと、「世の中のものは、すべて陰と陽に分けることができる」という考え方。
磁石のS極とN極のごとく、切っても切っても二つに分かつことができるのです。
例としては、、、
☑光と影
☑表と裏
☑朝と夜
☑右と左
☑天と地
☑+と-
☑動と静
☑凹と凸
☑温と冷
☑アクセルとブレーキ
など、挙げだしたらキリがありません。
今この文章を打っている私だって、
息を「吸ったり吐いたり」しながら
目を「開けたり閉じたり」しています。
身近なものから大きなものまで、すべて二分できるということですね。
そして、この二つの均衡が保たれている状態であれば、体は健康を保つことができる状態となります。
ではその陰と陽を用いて自律神経失調症を読み解いてみましょう。
現代医学的に「自律神経のバランスが崩れている」状態は
東洋医学的に「体内の陰陽のバランスが崩れている」状態と置き換えられます。
さらに掘り下げると、
☑日中優位に働く交感神経を陽
☑夜に優位になる副交感神経を陰
と分けることができます。
もしも仕事で忙しく
朝から晩まで働き続けている人は「陰と陽」のバランスはどうなるでしょうか?
その通り。
「陽」のバランスが強くなります。
陽が増え過ぎるということは、体における「アクセル」の働きが強くなってますから
夜寝つけなくなったりリラックスできなくなったりします。
逆に、陰のバランスが強くなるということは「ブレーキ」が優位になるということで
やる気がでなかったり朝起きれなくなったりします。

体に流れるツボの流れ(経絡)には、「陽経」「陰経」というものがあります。 鍼灸の場合であれば、この経絡に起こった陰陽の乱れを調節することで症状を改善していきます。
実際、鍼を背中に刺した状態で十数分置いておくことで
副交感神経が優位になり、リラックス状態に導くことができるという研究結果も出ています。
鍼の刺し方や操作方法、お灸の用い方によっては、この陰と陽を増やしたり減らしたりすることができます。
その他にも、生まれつきの体質・環境によって引き起こされた体質など
体の根本的な部分を調整していくことで根本を改善していくことが可能です。
整体による調整方法でもこの自律神経の問題は改善できますから
ご自身に合ったものを選ばれると良いでしょう。
自分でもできるケアは?
体のONとOFFを調節してくれる自律神経機能ですが 自分で調節できる方法はあります。
それは呼吸。
そう、呼吸を整えることで自律神経は調節出来るのです。
ではどんな呼吸が良いのか?
皆さんもご存じだとは思いますが、深い呼吸です。
お風呂に入って「はぁ~~~~
一日の疲れを吐き出すようなあの感じでするだけで良いんです。
基本的に吸う時は交感神経、吐く時は副交感神経をつかさどるので
日々の仕事でストレスが多くリラックスできていない方は吐く息を長めに取ればよいのです。
例えば、鼻から3秒で吸って口から10秒かけて吐く。
こうすればリラックスの方向に寄って行きます。
逆にやる気が出ない時などは、「スッスハッハ、スッスハッハ」とスキップをするように
リズミカルな呼吸を繰り返していると、交感神経が優位になり活動に向いた状態に
持っていくことができます。
何回やれば、どれくらいの頻度でやれば、
そんなことは気にしなくても大丈夫です。
自分の体をON・OFFにしたい、その時に上記のような呼吸をするだけで良いんです。
仕事の合間や夜の寝る前など、思い出した時にぜひ試してみては?
最後に
さて、今回は「知らぬ間に襲ってくる自律神経失調症」ということでお送りしましたが、いかがでしたか?
一口に自律神経失調症と言っても、かなり奥が深いものです。
このように、色んな角度から読み解くことで症状の特徴や対策も見つかります。
本症状でお悩みの方は、自分で調節できる部分としづらい部分を明確にし
施術や他人に頼るということも忘れずに。
まずはご自身の症状と向き合って、沢山の「気づき」を得ることから始めてみてくださいね。
【記事作成者 整体太郎と鍼灸花子(吹田市江坂)】
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