妊娠中の尾骨痛について
妊娠中に起こりやすい尾骨の症状一覧
・立ち上がる瞬間に尾骨が痛い・椅子に腰掛けると痛む
・湯船に入っていると尾骨が当たる感じがする
・歩くときに尾骨に違和感を感じる
・上を向いて寝るとお尻の骨が当たって痛む
・重いものを持ったりするとズキッとくる
これらは妊娠中に起こりやすい尾骨に関しての症状一覧です。
妊娠中はホルモンバランスや体の構造面に変化が出やすい時期です。
原因から対処法まで、妊娠中に起こる症状についてお伝えしていきます。
正しい尾骨の位置はココ!
トレーニング指導の際に、ご自身で尾骨に触れてもらう機会がありますが、間違えた部位を触っていたり場所が分からない方も…
意外と正しい尾骨の位置をご存知じゃない方が多いようですね。
正しくは下の画像のこの部分。
中央にある仙骨という骨の延長線上に存在します。
4〜5個の小さな椎骨で構成される尾骨ですが、その周囲には様々な筋肉や靭帯が付着してきます。
尾骨が痛む原因
妊娠中に痛みが出る要因はいくつかあります。順番にご紹介していきましょう。
・妊娠中のホルモンの影響
妊娠初期にもこれらの痛みが起こるケースがありますが、それらにはホルモンバランスの変化が大きく関わります。
妊娠中にはリラキシンという関節や靭帯を緩めるホルモンの分泌が促進されますが、それによって尾骨周辺の痛みを感じることがあります。
特に、尾骨周辺の環境が極端に硬い・緩い・打撲や骨折をしたことがあるなどの要素がある方は、同様の症状が出やすくなるでしょう。
・胎児の成長に伴うもの
当然ですが、妊娠週数に伴いお腹は大きくなります。
それを支えている受け皿は骨盤ですから、上からの荷重がかかることによって尾骨に負担がかかり痛みを感じることがあります。
主には上記の二つが挙げられます。
その他にも、切迫早産のリスクがある場合、胎児が下って行くことによって尾骨に痛みを感じるケースがあるため、そういった場合は注意が必要です。
回復するために
まずは尾骨周辺の環境を整えることが優先となります。何をどう整えるのかといえば、例えば
・尾骨の歪みをとる
・尾骨に付着する筋肉の状態を整える
・その筋肉に関わる骨盤の歪みをとる
などが挙げられます。
骨盤を安定させるために必要な骨盤底筋など、周辺の筋力強化なども症状改善に必要となる要素です。
尾骨痛を放っておくと…
中には、「痛みはあるけど時々だから気にしないようにしてます」
「どうしたらいいのか分からないので何もしていません」
「以前はあったけど今はそんなに気にならないから大丈夫」
そんな方もいらっしゃるかと思います。
しかし、痛みがある方はもちろんのこと、自然に治ったとしても尾骨周辺の環境が傷みやすい状態であったことは確かです。
特に、分娩を経験した場合の骨盤への負担はかなりのものです。
尾骨を骨折する方もいます。
産後にそれらの症状が再発する方もいます。
つまり、起こったその時に何らかのケアを行うことで今の症状や今後の再発のリスクを最小限に留めることができるということですね。
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