骨盤臓器脱(子宮脱)
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こんな症状でお悩みではありませんか?

・陰部にひきつり感がある ・排尿や排便時に不安感を感じることがある ・産後に尿もれがあるが、なかなか治らない ・産後、何かが股に挟まっている感覚がある
上記は骨盤臓器脱の症状で良くあるものです。
骨盤臓器脱(子宮脱)って?

骨盤臓器脱(POP:Pelvic Organ Prolapse)は骨盤内の臓器(膀胱、直腸、尿道、小腸、子宮)が 膣内に下垂あるいは膣外に脱出することを言います。
ほとんどの場合臓器そのものに問題があるわけではなく支持機構である線維組織や骨盤底筋群
膣壁が脆弱化することで起こります。
主な原因としては上記の支持機構の弱りですが、他にも肥満・排便時のいきみ・重いものを持つ
慢性的な咳を繰り返すなど、腹圧がかかるものが原因で起こることがあります。
発生部位によって名称は異なります
直腸瘤、小腸瘤、尿道瘤、膀胱瘤、子宮脱に分類されます。 どれか一つだけでなく、併発することもしばしば。
とある機関では、膀胱瘤が82.3%、直腸瘤が45.6%そして子宮脱が37.0%というデータが発表されています。
アメリカのデータによると80歳までの女性の40%が罹患するようです。
こうして聞くとなかなか高い罹患率ですね。
症状一覧
自覚症状としては
・「下腹部に違和感を感じる」
・「股に何かが挟まっている感じ」
・「排尿してもおしっこが出きらない」
・「椅子に座ると何かが押し込まれるような感じがする」
・「陰部にピンポン球のようなものを触れる」
・「股のあたりが心許ない感じ」
・「陰部が引っ張られ重たく感じる」
など、上記の様なものがあげられます。
横になると症状を感じにくい
夕方になると不快感や異物感を感じやすいのも特徴の一つです。
骨盤臓器脱になる原因
骨盤臓器脱の原因には、体質などの要因、妊娠、分娩、手術、外傷、加齢などによる 骨盤底筋群の弱りが挙げられます。
症状の程度にはそれぞれ個人差がありますが、経腟分娩経験者の女性の約半分に
骨盤臓器脱が認められる、とされるようです。
それらに共通するのは、骨盤底筋群の断裂・損傷、神経の損傷などの原因です。
出産未経験の方々と比較すると8.4倍にもなるとのこと。
東洋医学から見る臓器脱
・肝臓の弱り 東洋医学の中で肝臓は”筋”をつかさどります。 上記で説明されている通り、臓器脱の要因として大きいのが骨盤底筋群。
そう、筋肉の弱化です。
東洋医学的にみた時に、この肝の作用が弱くなることで関連する筋にも影響を及ぼし
発症の原因となり得るということです。
施術以外の養生法としては、酸味のもの(酢・ビタミンC系)をとるのがおすすめです。
・腎臓の弱り
東洋医学的に、腎臓は引き締める作用を持ちます。
年齢を重ねた時に皮膚がたるんできたりするのも、この腎の引き締めの作用が低下するためなんです。
出産を経てこの腎の気が低下すると、体の引き締め作用がうまく働かず、臓器脱を引き起こす原因となります。
腎気が少なくなっているタイプの方は、塩分の摂り過ぎ、または少なすぎる傾向があります。
ただし、現代人の食生活を見ていると塩分については摂り過ぎ傾向の方がほとんどですので
この場合は摂り過ぎを見直すという方向での対処で問題ないかと思います。
こんな要因は症状を悪化させる
間接的ではありますが、症状を悪化させる要因として肥満、慢性的な咳やくしゃみ、便秘(排便時のいきみ)、重いものを継続的に持つ、などもあります。
上記のものが関連し、骨盤臓器脱や子宮脱などの症状を引き起こします。
子宮脱の施術法・改消方法

施術法は大きく分けて
手術と保存療法があります。
〈手術の場合〉
程度が重度の場合やトレーニングなどの実施が難しい場合、病院での処置として手術を推奨されます。
手術は骨盤底の中にメッシュを入れることで脱出した臓器を支える方法や、筋肉や靭帯を
ポリプロピレンテープで補強し固定する方法がとられることが多いのが現状です。
〈保存療法の場合〉
保存療法は
ペッサリー(リング)の挿入
サポート下着の着用
ホルモン補充、漢方
骨盤底筋群などのコア機構を強化するトレーニング
などがあります。
骨盤底筋群トレーニングでホントに改消するの?

まずエビデンスですが、有効性はいくつか報告されています。
HagenやBraekkenらの報告によると
症状の頻度、程度、支持度の改消、筋層の肥厚、尿生殖裂孔の狭小化、
安静時の骨盤臓器の位置の挙上が確認されたそうです。
つまり効果的にトレーニングを行えば
改消の見込みがあると考えられます。
実際、私の施設での症例でもほとんどの方が症状の軽減を実感しています。
手術を選べばトレーニングは不要になるのか?
日常に大きな影響を与えている場合、 当然手術を選択される方もいらっしゃることでしょう。
しかし、手術は無理やり脱する臓器を止めているだけです。
骨盤底筋群の機能は回復していません。
骨盤底筋群は臓器脱がなくともしっかりと機能しておく必要があります。
つまり、たとえ手術を選択したとしても、骨盤底筋群はしっかりと鍛えておく必要があると私は考えます。
日常で気をつけること
①重たいものを極力持たない ②排便の際にいきまない ③体重を増やさない ④くしゃみや咳は壁などを押して力を分散させる ⑤座り方に気をつける いわゆる、お姉さん座りと呼ばれる座り方は骨盤底筋群の機能を低下させます骨盤底筋群のトレーニング方法
ここでは簡単なトレーニングをご紹介いたします。
骨盤底筋群のトレーニングは事情に複雑で「できているつもり」
でも実際は逆効果になっていることも多々あります。
実際、ヨガの先生などでもできているつもりで全くできていないこともあります。
まとめ

産後の方なら誰もが可能性のある子宮脱を始めとする骨盤臓器脱 放っておくと感染などのリスクも考えられるのでまずは医師の診断を受けましょう。 そして生活スタイルなどを顧慮して改消方法を選択しましょう。 どちらにしても骨盤底筋群のトレーニングは必要です。
できれば専門家の指導を受けましょう。
日本ではこのような分野の専門家、ウィメンズヘルス専門の理学療法士などが少ないのも事実です。
そしてこれらの骨盤臓器脱に対する理学療法は今現在では病院でも保険適応外のようです。
このようなことからも日本ではこの分野では決して進んでいるとは言えないでしょう。
そしてトレーニングにはある程度の根気が必要です。
程度にもよりますが目安として3ヶ月から6ヶ月は必要かと思います。
最後に
この記事は私の経験をもとに書いている部分もあります。
できるだけ誤解のないようにお伝えしていますが100%ではないことをご了承ください。
【記事作成者 整体太郎と鍼灸花子(吹田市江坂)】