2018年9月23日 日曜日
妊娠中の坐骨神経痛について
妊娠中には様々な体のお悩みが出てきますが、その中でも特にご相談が多いのが坐骨神経痛。ご本人はなぜこんなに痛むのか?原因がわからずに苦しんでいる方がたくさんいます。今回は、そんな妊娠中の坐骨神経痛について解説していきます。
・長時間の同姿勢で臀部がジワーッとシビれる
・常に腰から臀部に違和感がある
・立ち上がりなどの際にズキッとする
・太ももの裏側がシビれることがある
・まっすぐ立つのが辛くて片足に体重を乗せてしまう
これらのお悩みは特に妊娠中の方に起こりやすいです。
妊娠中特有のお身体の環境によって引き起こされているケースが考えられます。
一つでも当てはまる方は以下の内容を読み進めて頂ければと思います。
坐骨神経は人体の中でも最も太い神経で、仙骨神経叢という場所から起こり、途中で分岐して足の先までの広範囲にわたります。
坐骨神経痛といえば、痛みはもちろんのこと”シビレ”の症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
上の図を見てもらえれば分かる通り、範囲が広いだけにどこか一箇所でも問題があれば、それに付随して走行上のどこかにシビレや痛みなどの辛さを感じるケースが出てきます。
神経が始まる腰周辺の問題によって起こるケースもあれば、下肢などの末梢の問題によって起こるケースなど様々です。
イメージするなら、腰から足に流れる坐骨神経という名前の川が流れているとして、その川の流れが筋肉の緊張や骨格の歪みなど、様々な要因で川に流れる水量が少なくなったりまっすぐに流れなくなってしまったり、川の循環が滞ることによって痛みやシビレを引き起こすというところですね。
なので、それらを回復するためにも、その川の流れを”まっすぐ”、”水量たっぷり”、”勢いよく”なるように循環系を調整することとなります。
妊娠中には関節や靭帯を緩ませるためのホルモン(リラキシン)が分泌されます。
それにより骨盤周囲の関節も不安定性が増す(カイロプラクティックではハイパーモビリティーと言われます)ことで周辺組織に余計な緊張が起きたり、妊娠中は同じくホルモンの影響でむくみなども起こりやすくなりますから、それによってシビレ症状などにつながることもあります。
〈対策〉
・血のめぐりを良くする
そもそもホルモンは血液により運搬されます。
リラキシンは子宮・卵巣・胎盤から分泌されるため、これらの内臓器の環境改善も必要になることでしょう。
・物理的な荷重や負担
妊娠後期にはお腹も大きくなりますから、当然普段とは違う負担がかかります。
それによって骨盤周囲への影響を及ぼします。
そのような環境で過ごしているうちに、歪みなどの問題が起こりやすくなり今回のような坐骨神経の問題が起こる可能性もあります。
〈対策〉
まず一つは、体の構造的な歪みをとる。
の二つ目はその歪みの原因となる内臓や自律神経などの問題をとる。
妊産婦ケアの知識や症例が豊富な整体院などにご相談頂ければと思います。
・腰・下肢の筋力低下
妊娠中は急な体調の変化で妊娠前よりも運動量が減ったり、急な体重の増加により支える側の筋肉のレベルが不足しているケースがあります。
筋力の弱い状態で体を支えることで、上記のような構造的な歪みの原因にも繋がります。
〈対策〉
太ももや臀部など、股関節を取り巻く筋肉の強化を行う。
※妊娠中は、腹圧がかかる運動には注意が必要となります。
施術担当者の解説付きの完全版はこちらから
↓ ↓
(妊娠初期に感じ始めた臀部痛|30代女性|マタニティ整体)
初回来店時は妊娠18週目
〈主症状〉
左の臀部痛。
妊娠10週目の時より、長時間の同姿勢からの動き始め(主に立ち上がり)で局所が痛む。
一度痛みを感じると、しばらく何をしてても痛い。
産婦人科で相談したところ、骨盤ベルトをして整体に通いなさいと言われた。
〈その他の症状〉
足がつりやすい
〈主な施術ポイント〉
上腹部、骨盤周囲、循環改善
〈施術内容と経過〉
【1回目】
全体をチェックすると、左の仙腸関節がhyper(過度に動きが出ている)になっており、 妊娠週数の割には、上腹部の硬さが目立つ。
立ち姿勢や実際の力の入れ具合を見ても、骨盤を支える骨盤底筋は弱い。
上記の問題に対してのアプローチ(仙腸関節は無理に触らない)を行いつつ、手技で全身の回復力を高めるイメージで施術。
【2回目】
3日後来院。
臀部の症状自体、大きく変化はない。
上腹部の緊張は前回から取れている。
同方針で施術を行い、骨盤底筋の力の入れ方や自宅での骨盤トレーニングについてお伝え。
【3回目】
7日後来院。
臀部の痛み:10→2に。
前回後からかなり痛み取れていたが、昨日ぐらいからまた戻ってき始めたところ。
自宅での骨盤底筋トレーニングも実施しているとのことなので、同方針で施術後に骨盤トレーニング再教育。
【4回目】
10日後来院。
臀部の痛み:10→2。
前回と同じ状態をキープしていた。
上腹部の緊張は初回時よりもかなりマシに。
局所にゆとりができ始めてきた。
【5回目】
17日後来院。
臀部の痛み:10→2。
前回・前々回とほぼ同じ状態をキープ。
左右の仙腸関節の動きのバランスが整ってきた。
骨盤底筋の使い方再確認。
【6回目】
14日後来院。
臀部の痛み:10→ほぼ0。
ほとんど痛みは感じなかった。
同じ姿勢が続いてからの動作開始時も問題なし。
出産後の体型をさらに絞っていくため、トレーニングの負荷を上げて施術継続。
〈妊娠中に坐骨神経痛が起こる原因〉
・ホルモンの影響により構造的な歪みや、むくみなどによる循環不良
・妊娠期特有の状態による物理的負担
・筋力不足
〈対策〉
上記の問題に対するセルフケア(疲労回復、トレーニングなど)、もしくは妊産婦専門の整体などでの対処
これらの妊娠中のトラブルは、出産後の生活にも大きな影響を及ぼします。 当店に来られる方の中にも、妊娠中にこれらの症状を放っておいて産後に再発、またはひどくなった状態でお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。
現状、マタニティの方を受け入れてくれる整体院は多くはありませんが、これらのお身体の問題は起きているその時に対処をしていかなければ、後々女性特有のお悩みや年齢を重ねた際に違った形で起きてくる問題の引き金となります。
あとは、現在母体が受けている物理的・心理的ストレスはお腹の中の赤ちゃんにも伝わってしまいます。
お子さんの発育のことなどを考えると、今のご自身のお身体と向き合うことはとても価値があることなのではないでしょうか?
少しでもピンときた方は、電話やLINEなどで一度ご相談いただければと思います。
・【症例】逆子と腰痛|20代女性|整体+鍼灸
Contents
妊娠中こんなことでお悩みではありませんか?
・抱っこや授乳の姿勢で腰周りが辛い・長時間の同姿勢で臀部がジワーッとシビれる
・常に腰から臀部に違和感がある
・立ち上がりなどの際にズキッとする
・太ももの裏側がシビれることがある
・まっすぐ立つのが辛くて片足に体重を乗せてしまう
これらのお悩みは特に妊娠中の方に起こりやすいです。
妊娠中特有のお身体の環境によって引き起こされているケースが考えられます。
一つでも当てはまる方は以下の内容を読み進めて頂ければと思います。
まずは坐骨神経について

坐骨神経は人体の中でも最も太い神経で、仙骨神経叢という場所から起こり、途中で分岐して足の先までの広範囲にわたります。
坐骨神経痛といえば、痛みはもちろんのこと”シビレ”の症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
上の図を見てもらえれば分かる通り、範囲が広いだけにどこか一箇所でも問題があれば、それに付随して走行上のどこかにシビレや痛みなどの辛さを感じるケースが出てきます。
神経が始まる腰周辺の問題によって起こるケースもあれば、下肢などの末梢の問題によって起こるケースなど様々です。
なぜ痛む?どうしてシビれる?
基本的には、神経の疎通が悪くなって起こるものがほとんどです。イメージするなら、腰から足に流れる坐骨神経という名前の川が流れているとして、その川の流れが筋肉の緊張や骨格の歪みなど、様々な要因で川に流れる水量が少なくなったりまっすぐに流れなくなってしまったり、川の循環が滞ることによって痛みやシビレを引き起こすというところですね。
なので、それらを回復するためにも、その川の流れを”まっすぐ”、”水量たっぷり”、”勢いよく”なるように循環系を調整することとなります。
妊娠中に坐骨神経痛が起きる原因と対策
・ホルモンの影響妊娠中には関節や靭帯を緩ませるためのホルモン(リラキシン)が分泌されます。
それにより骨盤周囲の関節も不安定性が増す(カイロプラクティックではハイパーモビリティーと言われます)ことで周辺組織に余計な緊張が起きたり、妊娠中は同じくホルモンの影響でむくみなども起こりやすくなりますから、それによってシビレ症状などにつながることもあります。
〈対策〉
・血のめぐりを良くする
そもそもホルモンは血液により運搬されます。
リラキシンは子宮・卵巣・胎盤から分泌されるため、これらの内臓器の環境改善も必要になることでしょう。
・物理的な荷重や負担
妊娠後期にはお腹も大きくなりますから、当然普段とは違う負担がかかります。
それによって骨盤周囲への影響を及ぼします。
そのような環境で過ごしているうちに、歪みなどの問題が起こりやすくなり今回のような坐骨神経の問題が起こる可能性もあります。
〈対策〉
まず一つは、体の構造的な歪みをとる。
の二つ目はその歪みの原因となる内臓や自律神経などの問題をとる。
妊産婦ケアの知識や症例が豊富な整体院などにご相談頂ければと思います。
・腰・下肢の筋力低下
妊娠中は急な体調の変化で妊娠前よりも運動量が減ったり、急な体重の増加により支える側の筋肉のレベルが不足しているケースがあります。
筋力の弱い状態で体を支えることで、上記のような構造的な歪みの原因にも繋がります。
〈対策〉
太ももや臀部など、股関節を取り巻く筋肉の強化を行う。
※妊娠中は、腹圧がかかる運動には注意が必要となります。
当院の実例でみる坐骨神経痛(Yさん.妊娠初期)

施術担当者の解説付きの完全版はこちらから
↓ ↓
(妊娠初期に感じ始めた臀部痛|30代女性|マタニティ整体)
初回来店時は妊娠18週目
〈主症状〉
左の臀部痛。
妊娠10週目の時より、長時間の同姿勢からの動き始め(主に立ち上がり)で局所が痛む。
一度痛みを感じると、しばらく何をしてても痛い。
産婦人科で相談したところ、骨盤ベルトをして整体に通いなさいと言われた。
〈その他の症状〉
足がつりやすい
〈主な施術ポイント〉
上腹部、骨盤周囲、循環改善
〈施術内容と経過〉
【1回目】
全体をチェックすると、左の仙腸関節がhyper(過度に動きが出ている)になっており、 妊娠週数の割には、上腹部の硬さが目立つ。
立ち姿勢や実際の力の入れ具合を見ても、骨盤を支える骨盤底筋は弱い。
上記の問題に対してのアプローチ(仙腸関節は無理に触らない)を行いつつ、手技で全身の回復力を高めるイメージで施術。
【2回目】
3日後来院。
臀部の症状自体、大きく変化はない。
上腹部の緊張は前回から取れている。
同方針で施術を行い、骨盤底筋の力の入れ方や自宅での骨盤トレーニングについてお伝え。
【3回目】
7日後来院。
臀部の痛み:10→2に。
前回後からかなり痛み取れていたが、昨日ぐらいからまた戻ってき始めたところ。
自宅での骨盤底筋トレーニングも実施しているとのことなので、同方針で施術後に骨盤トレーニング再教育。
【4回目】
10日後来院。
臀部の痛み:10→2。
前回と同じ状態をキープしていた。
上腹部の緊張は初回時よりもかなりマシに。
局所にゆとりができ始めてきた。
【5回目】
17日後来院。
臀部の痛み:10→2。
前回・前々回とほぼ同じ状態をキープ。
左右の仙腸関節の動きのバランスが整ってきた。
骨盤底筋の使い方再確認。
【6回目】
14日後来院。
臀部の痛み:10→ほぼ0。
ほとんど痛みは感じなかった。
同じ姿勢が続いてからの動作開始時も問題なし。
出産後の体型をさらに絞っていくため、トレーニングの負荷を上げて施術継続。
まとめ
少し長くなりましたのでここで妊娠中の坐骨神経痛についてまとめます。〈妊娠中に坐骨神経痛が起こる原因〉
・ホルモンの影響により構造的な歪みや、むくみなどによる循環不良
・妊娠期特有の状態による物理的負担
・筋力不足
〈対策〉
上記の問題に対するセルフケア(疲労回復、トレーニングなど)、もしくは妊産婦専門の整体などでの対処
これらの妊娠中のトラブルは、出産後の生活にも大きな影響を及ぼします。 当店に来られる方の中にも、妊娠中にこれらの症状を放っておいて産後に再発、またはひどくなった状態でお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。
現状、マタニティの方を受け入れてくれる整体院は多くはありませんが、これらのお身体の問題は起きているその時に対処をしていかなければ、後々女性特有のお悩みや年齢を重ねた際に違った形で起きてくる問題の引き金となります。
あとは、現在母体が受けている物理的・心理的ストレスはお腹の中の赤ちゃんにも伝わってしまいます。
お子さんの発育のことなどを考えると、今のご自身のお身体と向き合うことはとても価値があることなのではないでしょうか?
少しでもピンときた方は、電話やLINEなどで一度ご相談いただければと思います。
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