小児歩行改善｜整体｜２才女児

2歳のお子さんの足をすって歩く歩行動作や身体の緊張が原始反射の残存を取り除き改善していくまでの事例紹介です。現在は、小児整体で感覚系の治療・エクササイズを加え症状が再発しないように予防も兼ねて根本的治療を続けております。

【歩行が改善した事例解説】

<利用者>

2歳女児

<お悩み>

・歩き方、身体の硬さ、爪の変形

<過去に受けていた施術>

なし

<主な施術ポイント>

足底、手関節、胸郭

<施術内容と経過>

<ヒアリング>

1歳を過ぎて本格的に歩くようになってきてから右足をすって歩くようになり、
時間が経っても改善せず。
また、肘内障を繰り返しおこすので、どうにかしたいとの事でご来院。

<状態>

初診の検査
右下肢…足関節背屈制限(+)、反射…バビンスキー(+)、その他反射(-)
右母趾(爪)…乾燥し割れやすい。

体幹…右背部の筋緊張(+)
左上肢…橈骨手根関節の硬さ(+)
橈骨輪状靱帯の緩さ(+)

<施術>

【1回目】

・右足底部、右足関節への感覚入力
・脊柱起立筋のマッサージ

原始反射(バビンスキー反射)

足の裏の外側を踵(かかと)から指にかけて刺激をすると、足の親指を反り返す、扇状に足の指を広げる反射で、正常であれば生後6ヶ月〜2歳の間に消失します。

残存していると、
大脳皮質から末梢神経へ繋がる神経路へ影響が出る為、上手く身体を動かせなくなります。

右背部は撫でるようにマッサージを加え、
爪に関しては乾燥していたのでご自宅でベビーオイルを塗布するようにお伝えしました。

セルフケア
①足底マッサージ
②股関節体操
③背骨マッサージ

次回、歩行動作の確認と爪の状態確認。

【2回目】

11日後、来院。
毎日セルフケアを実施し、
右の母趾を擦って歩くのは減ったとの事。
バビンスキー反射はまだ残存。

姿勢のチェック発達確認を行いました。

体幹の前・後屈、側屈を確認。
前屈すると顔をあげ、後屈すると顔は下を向き、側屈時は反対側へ頭部を傾けるのが正常です。

チェックすると、
左の側屈時の頭部を反対側に動かす動きが出ていませんでした。

背部の緊張をとる為、優しく身体を揺らして刺激を入れ背部のマッサージを入れ感覚の統合を促しました。

歩行を変えていく為には、体幹の使い方も重要になるので続けていく予定。

【3回目】
14日後来院、足の動きは少しずつ良くなってきている。

肘内障の癖があり、簡単に抜けてしまうとの事。

動き状態を確認すると、
手関節を回した時に橈骨手根関節の硬さがありました。

また、橈骨輪状靱帯の緩さがあったので
肘が抜けやすい状態でした。

(関節の特徴で、遠位部が硬いと近位部が緩くなりやすかったりその逆も起こりえます。)

手関節の関節を調整しながら、積み木やブロックなどで遊んで手関節の動きを促しました。

【4回目】
11日後来院、右の母趾を擦らなくなったとの事。また、前回の施術以降肘内障は起こっていないとの事でした。

体幹背部の緊張と左手関節の硬さがとれているのも、保護者が分かる程改善。

バビンスキー反射も消失し、歩行の確認ではしっかりと地面を蹴れるようになっていました。

爪も状態が良くなっているのでセルフケアを継続して頂きます。

約2〜3週間単位でお越し頂き、根本治療を継続。

<考察>

今回ポイントとなったのが、原始反射の確認と
運動発達の確認を行い感覚統合の介入をした事です。

原始反射は、
生まれつき備わっていて
不随意に体を動かす反射です。

新生児は大脳皮質が未発達で
自分の意思で体を動かす事ができないため、
生命を維持するための最低限の機能として
原始反射を備えて生まれてきます。

大脳皮質が発達する事で
原始反射のほとんどは
生後3〜4ヶ月には消失し長くて2歳までには消失します。

また、赤ちゃんの評価、発達がうまくいっているのか確認する目安になります。

大脳皮質が発達してくると反射を抑制させる為、感覚のと統合を促す遊びを取り入れる事が必要です。

同じ様な症状でお困りの方は、一度ご相談下さい。

※個人の感想です。１００％施術効果を保証するものではありません。

【施術担当・記事作成者　脇内】