産後のむくみについて
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産後のむくみでまるで象みたいに・・・
☑︎むくみがひどくて痛むことがある
☑︎顔がむくんでパンパンになる
☑︎下着の跡がなかなか消えない
☑︎手がむくんで指が動かしづらい時がある
☑︎象のように足がむくむ
産後はこのような症状を訴える方が多いです。
産後でなくても、女性であればむくみを一度は感じたことありますよね?
今回は、産後特有のむくみ症状についてのお話です。
産後はむくみやすい?
産後は
☑出産によるダメージを受けている
☑育児が始まり負担がかかる
☑ホルモンバランスが不安定
など、環境の変化が出やすい時期です。
それによる体調の変動も起こりやすく、むくみのような症状もあらわれてきやすい時期だと言えます。
産後のむくみは〇〇が原因
まず産後のむくみは妊娠中にさかのぼります。
妊娠中は、子宮(胎児)に血液を供給しないといけないので、妊娠していない状態と比べて血流量が増加している時期です。
割合にすると3〜5割は多くなると言われています。
しかし出産すると、妊娠前の血液量に戻ろうとします。
それによって子宮への血液の供給量が減り、その過程で過剰になった分がここで言う
産後のむくみとして現れてくる、ということになります。
このむくみについては産後の一時的な症状として現れ、産褥期(6週〜8週)を目安に緩和していくことが多いです。
体がむくむ原因(その他)
・運動不足
血液やリンパ液など、体液の循環系は筋肉を動かすことでポンプ作用が働き高まります。
しかし、産後はなかなか運動する時間も取れません。
出産後すぐは安静にして体を休める必要がありますし、育児をしている時は子供から目を離せない状態。
抱っこや家事で体は疲れるけど、ポンプ作用が得られるような運動にまでは手が届かない状況です。
・自律神経の乱れ
産後は環境やホルモンバランスの変化、育児での睡眠不足・ストレスなどがかかり、自律神経のバランスが乱れやすい時期です。
自律神経は血管の収縮・循環機能に影響を及ぼします。筆者が妊産婦ケアの臨床現場に立っていても
産後の様々な症状でお悩みの方のほとんどは、この自律神経の乱れが関与してると考えます。
【関連記事】・産後の自律神経の乱れ(産後うつ)について
・授乳による影響
長時間の座位が続くことでの体のむくみ、デスクワークをされている女性ならよく分かると思います。
特に新生児時期や2〜3ヶ月頃は頻回授乳で1日に10回以上も授乳することもあります。
長時間同じ姿勢を強いられるこの時期は特にむくみに注意が必要です。
【関連記事】・乳腺炎(おっぱいトラブル)のあれこれ
むくみがもたらす様々な症状
・体のだるさ
足がむくむとだるくなりますよね?
むくみが起こっているということは体の循環・排泄機能が低下しているということ。
それに伴って疲労物質・老廃物などが溜まると、体はだるさを感じやすくなってしまいます。
・腱鞘炎
産後に起こりやすい症状の代表格です。
産後は抱っこなどでのオーバーユース、カルシウムの沈着などが腱鞘炎症状の原因と言われていますが
むくみもその原因になり得るということです。
手首は血管や神経・腱などが通るトンネルを形成しますが、むくみが起こると停滞した体液(リンパ液・間質液)などにより
そのトンネルは狭くなり(内圧が高まり)ます。すると、そこを通る腱の摩擦が強くなり、腱鞘炎の症状へと繋がります。
【関連記事】・安静にしても治らない?産後の腱鞘炎について
・体の冷え
体の中に余分な体液(水分)があるということは、外気により体が冷やされやすい状況だということ。
例えば、お風呂から上がって体が濡れている状態でそのままにしていると、冷えるし風邪を引いてしまいますよね?
むくんでいる状態というのは、体の表面が水のベールで覆われているような状態。
東洋医学的にも、体に水が偏在している状態を水滞(水毒)といい、それによるむくみ、冷えが起こるとされています。
むくみの解消法
・運動をする
運動不足がむくみの原因になることは先述した通りですが、これはやはり効果的な対処法です。
1ヶ月検診を問題なくクリアすればヨガや骨盤体操など行えますし、産褥期(6週〜8週)には産褥体操もあります。
特に、ふくらはぎの筋肉は循環系のポンプ作用が強く働く場所ですから、つま先立ちなどの運動で鍛えておくと良いですよ。
産後の忙しい時期に時間が取れないことは百も承知ですが、大切なのはむくみが起こる原因や解消方法を知っておくということ。
むくんでいる原因がわからないのに行動する気になるのは難しいと思います。
ながらでも良いので、その時にできる運動を行うことで少しでも産後の運動不足を補っておきましょう。
・食事などでの減塩を心がける
塩分を過剰に摂取していると、高くなった体内の塩分濃度を下げようと体内に水分を溜め込もうとするようになってしまいます。
これを回避することでむくみだけでもむくみはマシになります。
減塩減塩とよく聞きますが、厚生労働省の最新の発表によると、国民ひとり当たりの食塩摂取量は平均10gとなっており
目標値である8gまでは届いていないのが現状です。
・カリウムを摂取する
カリウムには体内にある塩分を汗や尿として排出を促してくれる働きがあります。
上記の食塩の話にあったように、体内の環境を自ら調整する方法があります。
カリウムを多く含む食材としては。。。
・パセリ
・ザーサイ
・里芋
・こんぶ
・納豆
・わかめ(素干し)
・きゅうりのぬか漬
・とろろこんぶ
・焼き芋
・アボカド
・大豆(ゆで)
・しそ
・ほうれん草(生)
などがあります。
インターネットなどで簡単に調べられますので、食事の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
・足湯などで温める
先述した通り、冷えると体内の循環機能は低下し、むくみやすくなってしまいます。
特に足は冷えやすく体液の停滞を生みますので、足湯やリンパマッサージなどで温めて循環不良を緩和したりすると良いでしょう。
・お灸
冷えやむくみに効果的なツボ(経穴)が存在します。
ツボの選び方についてはその方の体質によっても異なるので、別の機会にご紹介することとしましょう。
全身の調整を行なったり、生活習慣や体質を見極める鍼灸院や漢方薬局などに相談してみると
自分に合ったツボを選んで処方してくれることでしょう。
こんなむくみには注意が必要
産後すぐに起こったむくみについては、体力の回復とともに自然と回復していくので、健康状態に問題がなければ特に心配する必要はありません。
ただし、妊娠中に妊娠高血圧症候群と診断されていて、産後にむくみが出ているような場合については注意が必要です。
重症の場合、産後も高血圧や尿蛋白が現れることもあります。
また、稀ですが産褥期に深部静脈血栓症を発症することもあります。特に自覚症状がないケースもありますが
片方の足に疼くような痛みやむくみが見られる場合も気をつけましょう。
産後のむくみがどうしてもつらかったり、不安な場合はまずは病院などの医療機関に相談してみましょう。
医師の指示に従いながら、妊産婦の施術経験・知識が豊富な整体院など、症状を解消してくれる施術院を見つけるのも良いでしょう。
【記事作成者 整体太郎と鍼灸花子(吹田市江坂)】
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